MiRiA

2022/12/07 23:00

婚約指輪のリメイク事例をご紹介します。


元々はプラチナの立爪リングをゴールドのボリュームリングに、ダイヤモンドを追加して作り替えたものでした。

それからさらに年月が経ち、ボリュームリングをしなくなり今のライフスタイルに合わせてシンプルリングにしたいと、お仕立て直しに取り組みました。

最初の一歩は、リングに留められていた3つの石外しですが、今回は古いリングの原形も写真にとどめて記録するため、爪だけを丁寧に切り落とし石を外したケースになります。



次に、ダイヤモンドの鑑定書はなかったため鑑別機関にてソーティングを取得し、改めてカラット、カラー、クラリティ、カットなどのグレードを把握します。

ソーティングというのは石の個別情報のみ記載されているもので、上の画像にあるような簡易的なものになります。ダイヤモンド鑑定書という正式な冊子は、DIAMOND GRADING REPORT(ダイヤモンドグレーディングレポート)というのが正式名称になりますが、リメイクの場合にはご要望があれば冊子タイプへ移行して発行することも可能です。

今回は取り外した3つの石のうち、センターの0.3ct upの大きなダイヤモンドのみを使用して、日常にさり気なく溶け込むデザインの【Tsubomi】リングをお作りすることにしました。



リングの内側に「be loved ♡」と文字彫りを入れて。



お好きなメッセージ、マーク、数字などを10文字程度までお入れすることができます。未来に向けた希望のメッセージなど刻印するのも、なんだか心強いお守りになりそうで素敵ですね。



お渡しする際のベルベットのリングボックスは、一つ一つ海外で手作りされた手の平に収まる可愛いサイズです。元々プロポーズの時にポケットに入れられるものとしてご用意しました。強い光沢のリングをきれいに見せる抑えた光沢のベルベット、日本人の美しい肌色を思わせるカラートーン、丸い形もポイントです。

かつての上質な素材で作られたゴールドやダイヤモンドのジュエリーは、ライフスタイルの変化と共に作り直せることがとても素晴らしいと思っています。古いリング枠はその時の下取り相場で、リングの出来上がりのお値段から差し引かせていただきますので、無駄なくお作りいただけます。リングに使用しない他の貴金属に関しても金種別に下取りできるのは、古物商許可のある弊社ならではのご提案。

Diamond は自然が作った地球のかけら

ダイヤモンドに関しても、たとえグレードが低め、サイズが小さめであってもそれぞれが個性を持っており、人に愛でられることで輝くと思っていますので、グレードやサイズなど気にせずご相談下さい。お持ちのジュエリーが身近で楽しめることが素敵な事だと思います。そもそも自身を飾る行為というのは人の本能的なものですね。人類が誕生した古い時代から装身具を身に着けていたことからも分かります。

昔ダイヤモンドは偶然発見され、硬くて珍しく、美しく輝くことから称賛され、王や聖職者が位を表すものとして珍重されていたもの。その硬さ故に長い間研磨できなかった宝石です。語源になっている「アダマンタイン」はラテン語で征服されざる者という意味であるというのは興味深いと思いませんか。

ダイヤモンドはダイヤモンドでしか研磨できません。14世紀に三角の面をつけたローズカットが生まれ、18世紀に最初のブリリアントカットが生まれました。

ダイヤモンドの材料は炭素ただそれのみで、鉛筆の芯と元素記号が同じ。超高温、超高圧の地下200~300キロのマントル中で炭素が結晶化してダイヤモンド原石は誕生します。そして地球内部から上昇するマグマにより、ダイヤモンド原石を含む火成岩(kimberlite キンバーライト)として奇跡的に地表近くに運ばれてくるのです。その後も鉱床での採掘、石の選別、研磨などの沢山のプロセスを経て私たちの元にやってきます。

ほとんどのダイヤモンドは太古(数年億以上前)に、地球の奥深くで形成されたものということを考えると、気が遠くなるほどの年月をかけて自然が育み、壮大な旅を辿ってきた地球のかけらを手にしているのですね。

近年ラボでダイヤモンドが合成されるようになり市場に流通しています。ラボで育ったので「ラボグロウンダイヤモンド」と呼ばれ、天然のダイヤモンドと同じ「炭素」を元素記号に持ち、科学的な特徴も全く同じです。唯一の違いは「神」が作ったか「人間」が作ったかです。

そんな壮大な旅を辿ってきた地球のかけらなのですから、私たちが奇跡やロマンを感じてしまうのは前者ですし、「石が人に愛でられることを待っていた」と思う理由です。

引き続きRemake jewelry projectに取り組んでおります。

気になるなという方は、HPにRemakeについてとヒアリングフォームがございますのでご覧ください。



コレクションのサンプル商品以外に手描きのデザイン資料などもお見せしながら、あなたの眠らせてしまっている宝物が今の気持ちによりフィットして、10年先のあなたが「ふと気が付くと手に取っている」そんな身近なスタンダードジュエリーとなるように一緒に考えていきましょう。


下の写真は、デザイン上の打ち合わせが続いているパールの南洋玉のリメイク事例です。
フルオーダーの場合は3か月以上かけて出来上がるプロジェクトになります。



オンラインショップ上でもコレクションのリング【Tsubomi】のお仕立て直しのご相談やオーダーが可能ですので、こちらもご覧ください。


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